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MIT白熱教室 これからの因果推論を考えよう
MIT白熱教室 これからの因果推論を考えよう
April 6, 2018 | Author: Anonymous | Category:
Education
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1. 因果関係を考えよう。 医薬品の評価における疫学の役割を中心に。 2013-09-21 @MIT Kazuki Yoshida, M.D. Kameda Medical Center Brigham and Women’s Hospital Harvard School of Public Health 2. 唐突ですが、、 演題名を変更します 3. MIT白熱教室 これからの因果推論の話をしよう 2013-09-21 @MIT Kazuki Yoshida, M.D. Kameda Medical Center Brigham and Women’s Hospital Harvard School of Public Health 4. 関節リウマチに関して 5. 関節リウマチについて !慢性炎症性疾患!主に関節に炎症が起こるが全身性疾患である!人口の0.5-5%!女性の方が数倍多い、30-40代ぐらいの発症が 多い 6. 関節リウマチ早期晩期http://www.disabilityinaction.com/rheumatoid-arthritis-definition-symptoms-treatment.html 7. 治療の進歩 8. 生物学的製剤 !免疫細胞同士/からの指令をブロックする!主に抗体などのタンパクを遺伝子組換えでデザ インしている 9. 信号物質を回収信号受信先を塞ぐ情報提供を防ぐ信号受信先の細胞を殺すhttp://www.orencia.com/hcp/biologics.aspxhttp://www.nature.com.ezp-prod1.hul.harvard.edu/nri/journal/v10/n5/fig_tab/nri2761_F2.html 10. 良く効く 注) 全員に必要な訳ではありません 11. http://bokete.jp/boke/1912205 12. 日本での2ヶ月あたりの自己負担(3割負担) 6万 7.3万 6.4万 8.5万 6.4万 8.5万 8.5万 4.6万http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/imed3/lab_2/page4/biologics.html 13. 本当にお高い 14. 実臨床での効果と 有害事象について 継続的に評価が必要 15. でも国が承認しているんでしょう? http://bokete.jp/boke/1912205 16. 薬剤の承認プロセス 17. 候補分子検索非臨床試験臨床試験(治験)承認Phase 1: 少数の健康人志願者を対象に、安全 性のテストを行う。 Phase 2: 少数の患者を対象に有効で安全な投 薬量や投薬方法などを確認する。市場へPhase 3: 多数の患者で、「二重盲検試験」な どにより、既存薬などと比較して新薬の有効 性および安全性をチェックする。http://www.nibio.go.jp/guide/page2.html 18. 効果を確認するには !調子が良くなったのは、薬が原因かどうか?!因果推論の考え方!二重盲検ランダム化比較試験(double-blind, randomized controlled trial, RCT)がgold standard!A/B testと考え方は同じ 19. なんでそんなややこ しいことをするのか 20. 病気ネズミということにhttp://imagesci.com/mouse-animal-wallpaper-13246-hd-wallpapers.html 21. 数が少ないと偶然に左右されるので増やします。http://imagesci.com/mouse-animal-wallpaper-13246-hd-wallpapers.html 22. http://imagesci.com/mouse-animal-wallpaper-13246-hd-wallpapers.html 23. http://imagesci.com/mouse-animal-wallpaper-13246-hd-wallpapers.html 24. 注) 統計学的に必要な数 を前もって検討します 25. 全員に薬剤を投与する? 26. なにかそれっぽいスコアの経過 27. なにかそれっぽいスコアの経過キタ━━━━━━━━m9( ゚∀゚)━━━━━━━━!! 28. 自然経過と区別 がつかない。 29. 多くの病気で疾患 活動性は変動する 30. 悪めの人を集めると “平均への回帰”が起こる 病気が悪めの人を選択すると病気の波の悪いところにいる人を集めてしまう。こ のためこれらの人はしばらくすると全体的には波の良いところに向かって改善す る傾向が見られる。 31. 要は勝手に良くなる ことがある。 32. “比較”する必要がある 33. なにと比較する? 34. Counterfactual 35. Potential outcomeともいうCounter factual 反対事実の起こったことと起こらなかったことを比べる 36. シナリオ1ある一個体の二つの未来 未来1暴露:薬剤未来1’同一個体アウトカム個体1 未来2未来2’悠久の時の流れ比較 37. シナリオ2ある一個体の二つの未来 未来1暴露:薬剤未来1’同一個体アウトカム個体2 未来2未来2’悠久の時の流れ比較 38. シナリオ3ある一個体の二つの未来 未来1暴露:薬剤未来1’同一個体アウトカム個体3 未来2未来2’悠久の時の流れ比較 39. シナリオ4ある一個体の二つの未来 未来1暴露:薬剤未来1’同一個体アウトカム個体4 未来2未来2’悠久の時の流れ比較 40. シナリオ4ある一個体の二つの未来 未来1未来1’二つの未来はそれぞれ 暴露:薬剤アウトカム比較に対するCounterfactual個体4未来2未来2’悠久の時の流れ 41. シナリオ4ある一個体の二つの未来 未来1未来1’一個体が二つの未来を 暴露:薬剤アウトカム比較経験することはできない個体4未来2未来2’悠久の時の流れ 42. 現実!ある一個体のたった一つの未来 未来1未来1’観察できない(実際には起こらないので) 暴露:薬剤アウトカムある個体 未来 悠久の時の流れ未来’比較 43. 一個体内でCounterfactual を比較することはできない注) 一部例外あり 44. 良く似た個体群を振り分けて、 それぞれの未来を経験させる。 45. 知りたいこと 4匹のネズミの二つの未来 未来1未来1’ 1/4暴露:薬剤アウトカム同一個体比較 3/4未来2未来2’悠久の時の流れ 46. 知れること 8匹のネズミのそれぞれの未来 A群 1/4 暴露:薬剤似ているアウトカム比較 3/4B群 悠久の時の流れ 47. 知れること 8匹のネズミのそれぞれの未来 A群 1/4十分に似た二群であればお互 暴露:薬剤似ているアウトカム比較いのCounterfactualと見なせる3/4 B群 悠久の時の流れ 48. Exchangeability 交換可能。A群とB群を入れ 替えて交換しても同じ。 ignorabilityともいう 49. 交換可能にするにはど うやって振り分けるか? 50. 案1: 副作用が心配だから調子が良 さそうなネズミに薬を使おう。 51. 8匹のネズミのそれぞれの未来 A群 体調の悪いネズミ1/4 暴露:薬剤似てない!アウトカム比較 3/4体調の良いネズミB群 悠久の時の流れ 52. 8匹のネズミのそれぞれの未来 A群 体調の悪いネズミ1/4薬の差なのかネズミの差なのか分からない 暴露:薬剤似てない!アウトカム比較=お互いのCounterfactualになっていない。 3/4 体調の良いネズミB群 悠久の時の流れ 53. Counterfactual同士のフェアな比較ができているか図式化して考える方法 54. Causal diagram Directed acyclic graph (DAG)に 因果関係の解釈を持たせたもの 55. Node それぞれの事象AEdge(矢印)は因果関係を示すBC 四角囲みは選択/ 層別化を示す悠久の時の流れ 56. 共通原因は相関をもたらす “d-connected” DA 共通原因で選択/層化すると 相関が切れる “d-separated” DAE共通結果は相関を作らない “d-separated”FBC 共通結果(やその結果)で選択/E 層化すると相関をもたらす F “d-connected”BC 57. この場合の疑問 薬剤投与Yes/No?病気の改善悠久の時の流れYes/No 58. ネズミの調子薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/Noベースラインの健康状態は治療選択に影響する 59. ネズミの調子薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/Noベースラインの健康状態は治療選択に影響する アウトカムにも影響する可能性がある 60. ネズミの調子薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/No統計学的に関連が見えてしまう Common cause/共通原因の存在 Confounding/交絡と呼ぶ 相関 = 因果関係による相関 + 交絡による相関 61. 研究者は考えるのをやめたランダムに治療を割 り付けたらどうか? 62. ランダムに二群にわける薬剤を投与する両群の質がそろう薬剤を投与しない 63. ネズミの調子 矢印無し薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/No統計学的に有意な関連があれば薬剤の効果 Association = Causation 相関 = 因果 64. すべてこうすればよい? 65. ランダム化比較試験の問題点!Feasibility(実現可能性)の問題!Generalizability(外的妥当性/一般化)の問題 66. 実現可能性Feasibilityの問題 !何でもかんでも実験はできない。!お金や倫理の問題。!プラセボ(偽薬)との比較の是非。 67. 一般化可能性Generalizabilityの問題 !治験では除外規準がある。!治療対象の病気は重め、他は健康、みたいな人 が好まれる。実際の診療ではむしろ逆。!期間が短めになる。実際の診療では治療が生涯 にわたることも。 68. Observational studyそこで観察研究 !世の中で現実に起こっていることを、ありのま まに観察して因果関係を考える!薬剤の市販後の調査など!ランダム化比較試験が不可能/困難な内容の研究 69. 観察研究の役割 !治験に入れなかった、高齢者、他にも病気があ る人、妊娠中の人などで薬剤の効果/有害事象 が違わないかどうか。 comparative effectiveness!(偽薬でなく) 治療薬同士の比較、あるいは治療 方法(薬剤の投与のしかた)などの比較 70. 日常診療で治療の割り 付けはランダムか? 71. 医師がよく考えて治 (はず) 療を決めている。 72. Causal Diagramの 説明はこちらを参考 http://www.slideshare.net/kaz_yos/20130921talktojapanesescientists20130921a 73. 重症度 性別 年齢よく考えて治療を決めた結果...薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/No統計学的な関連は直接薬剤の効果を意味しない Association ≠ Causation 相関 ≠ 因果 相関 = 因果関係による相関 + 交絡による相関 74. そのまま比較できない 75. 重症度 性別 年齢薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/NoRestriction制限 (重症度、性別、年齢で絞り込む) Stratification層別化 (いくつかのグループに分けてグループ内で比較) Adjustment統計学的な調節(原理的には層別化) 76. Propensity score 77. こまにつ一をら れ重症度 性別 年齢るめと薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/No 78. Propensity score PS薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/No複数の交絡因子がPropensity scoreと して一つにまとめられた。 注) 影響の強い交絡因子はすべて観測されている必要がある。 79. 解釈: 同じような被験者が次に来 たときに医師が治療を選ぶ確率 e.g., PS=0.25: このような被験者のうち25%が治療を受ける 80. 以降の図解は有名なSwanGanz cathのデータより Dr. Frank Harrell. Right heart catheterization dataset http://biostat.mc.vanderbilt.edu/twiki/bin/view/Main/DataSets 81. 治療じゃない! 治療戦略の一環ということで.. 82. Propensity scoreの分布合計 PS分布 無治療群 治療群PS: 確率なので0から1 注)グラフは描き方の関係で足が出ています 83. Propensity scoreの分布(左右に展開) 縦軸がPS 治療群無治療群 84. 縦軸がPS 無治療群 PS=0.7525%が無治療群治療群 75%が治療群PS=0.50 PS=0.2575%が無治療群 25%が治療群 85. Propensity score PS ゃま じ薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/NoPS→薬剤投与の矢印がじゃま。 PSを共通原因にしている。 86. じゃまな矢印をなんとかしたい!両群のPSが同じところ同士に限定して比べる!両群のPS分布の形態をそろえて全体を比べる 87. PS 層別化無治療群その層内で比較治療群 層5 層4 層3 層2 層1 88. PS層別化 !利点 !!好きな効果量を測定(リスク比やリスク差)!!分かりやすい層ごとに治療効果が異なるか評価できる欠点 !いくつにわけるのか?幅が広すぎないか?!一番下と一番上の層は群間のバランスが悪い 89. PS 調節無治療群治療群基本的にはモデル を使う層別化。無 限に細かい階層内 で無治療群、治療 群を比較する。 90. PS調節 !利点 !!ソフトウェアでやるのが楽欠点 !基本的にオッズ比しか出せない!PSとアウトカムの関係を正しくモデル化する必要性!PSの違いによる効果の違いをどうモデル化するか? 91. これらはPSが同じ患者同士しか比べない PS薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/NoPSが同じ患者同士では治療の選択はランダムに起 こっていると解釈できる。PSが同じ人の中ではPSは 治療選択を予測しない。(定数は相関しない) 92. PSマッチング 無治療群同じぐらいのPSの治療群治療群と無治療群 の被験者を対にし ていく。つまり、PS=0.75 PS=0.50 PS=0.25相方がいないとこ ろを切りすてる。 93. PSマッチング !利点 !!Marginal effect (RCTのような解釈)!好きな効果量を測定(リスク比やリスク差)!!分かりやすく一番人気。PSの違いによる効果の違いは無視してもよいし、検討しても良い欠点 !一部の対象者のデータを捨てることになる 94. PS 重みづけ(IPTW) 無治療群同じ形になるように対象 者をふくらます。自分の治療群グループの割当確率の逆 数を掛ける。25%が無治療群。1/0.25倍すると75%が治療群。1/0.75倍すると全全体の大きさ(1)になる。1人が4体の大きさ(1)になる。 1人が1.33人になる。人になる。75%が無治療群。25%が治療群。1/0.251/0.75倍すると全体の倍すると全体の大きさ大きさ(1)になる。1人(1)になる。 1人が4人が1.33人になる。になる。Inverse probability of treatment weight (IPTW) 95. PS 重みづけ(S-IPTW)同じ形になるように対象者を無治療群治療群 その後、それぞれの群が元のふくらます。自分のグループ の割当確率の逆数を掛ける。 人数になるように圧縮する。PS=0.75治療群には治療群の元々の割 合、無治療群には無治療群の 元々の割合をかける。PS=0.50 PS=0.25Stabilized inverse probability of treatment weight (Stabilized IPTW) 96. PS重みづけ(IPTW) !利点 !!!Marginal effect (RCTのような解釈) コホート全体を治療した時の効果(IPTW)欠点 !対象者のインフレ。端の方の人が大きくなる!“コホート全体を治療した場合”というシナリオは有効? 97. PS 重みづけ(SMRW) 無治療群治療群治療群はそのまま残す(重み 1)。無治療群は1/(1-PS)をか けて全体の大きさまでふくら ます。さらにPSをかけて、治PS=0.75療群の大きさにそろえる。PS=0.50 PS=0.25Standardized mortality ratio weighting (SMRW) 98. PS重みづけ(SMRW) !利点 !!!Marginal effect (RCTのような解釈) 治療群を治療した時の効果(SMRW)欠点 !対象者のインフレ。無治療群の上端の方の人が 大きくなる 99. これらはPSと薬剤投与の関連を断ち切る PS 矢印無し薬剤投与Yes/No?病気の改善Yes/Noこれらの手法によるMatched cohortや Pseudo-populationの中ではPSと治療 選択の相関がなくなっている。 100. まとめ !因果推論は比較することで行われる。!Counterfactualを比較する。!一番理想的なのはランダム化比較試験。!観察研究の場合はいろいろ工夫が必要。 101. スライド: http://www.slideshare.net/kaz_yos/ コード: http://rpubs.com/kaz_yos/ps-rhc
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